| 2.犯罪減少に向けての4ステップ
警察本部が犯罪に勝ちを収めるには、次の4ステップが極めて重要である。
- 正確でタイムリーな情報収集
- 迅速な人員配置
- 有効な戦術
- 厳格なフォローアップと評価
広範にかつ継続的に犯罪を減少するにはこれらの4ステップが必要であり、各ステップごとに注意深く検討することが求められる。
2-1.正確でタイムリーな情報収集
●犯罪を減らすには、警察本部として犯罪を知る必要がある。特に下記の項目が重要である。
- 犯罪発生の種別(盗難、押し込み)
- 犯罪の発生地域(場所及びその地域環境)
- 犯罪の発生日時(何日、何時)
- 犯罪の発生理由(発砲事件は薬物事件と関係があるか)
●犯罪情報を収集するためには、すべての逮捕者から情報を求めることが重要である。
- 被疑者は街頭で何が起こっているかを知っており、これらの情報を警察官に提供しようとする動機をもっている。もちろん、被疑者は逮捕されるに至った犯罪について具体的に尋問されるが、それ以外の犯罪についても具体的に又は一般的に尋問すべきである。
- 盗品を買う者を知らないか。
- 銃器販売人を知らないか。
- 最近発生した石油スタンド強盗について何か知らないか。
巡査の安全確保のためにも、正確かつタイムリーな情報収集が必要である。巡査は現場に関する最新かつ正確な情報を知って、できる限り安全にパトロール、犯罪捜査、被疑者の逮捕を行うこと。巡査はこれらの情報を次の方法で入手できる。
- 分署の犯罪情報センター。ここでは最新犯罪の詳細、犯罪手口(パターン)の情報、指名手配者の名簿が入手できる。
- 巡査部長の伝言板に閉じられている通達や通知。班長は点呼に際してこれらの情報を読み上げ、部下の巡査と討論すべきである。
- 犯罪環境や指名手配人に関して、分署指揮官、分署刑事、防犯対策(Anti-Crimepersonnel)は、点呼時に巡査に徹底する。
注意事項として、パトロール巡査、機動隊巡査及び刑事は相互に情報交換をしておくこと。私服巡査と制服巡査同士も情報を繰返し交換すること。私服警官が制服警官から情報を求めるだけで彼らに情報を提供しないと、制服巡査は私服巡査に情報を提供しなくなる。刑事が被疑者を追跡しているとき、パトロール巡査にその情報を提供する方がよい場合が多い。パトロール巡査が被疑者情報を知ることで、彼等が被疑者や目撃者を発見することがあるからだ。
一般人の安全のためにも、犯罪手口や犯罪環境について一般に周知することが必要である。そうすれば一般からの警察に対する情報提供も期待できる。連続強姦犯、連続殺人犯、同一手口窃盗犯その他の繰返し犯罪は、一般からの情報がきっかけとなって逮捕されることが少なくない。新聞、ラジオやテレビへ犯罪情報や被疑者の人相書等を提供することも、一般人への犯罪情報提供の重要な手段である。
●適切かつ迅速な犯罪分析は犯罪の減少に重要である。適切な犯罪分析とは次の通りだ。
- 犯罪手口の迅速な識別。
- 犯罪手口情報、被疑者および使用車両特徴等を、パトロール警官、刑事、及び必要な場合には一般に迅速に配布すること。 手口情報は迅速かつ広範に通知する必要がある。大部分の悪質犯罪は繰返し犯により引き起こされることが多い。暴力犯罪の発生は比較的に少ないとはいえ、これら犯罪者は同じ手口の犯罪を何度も繰り返して実行する傾向がある。
●指揮官は犯罪情報に関し次の責任を有する。
- 情報の継続的収集。
- 情報を迅速かつ正確に分析。
- 本部内部での、及び必要に応じて一般への、犯罪情報の配布。
●犯罪傾向と手口を分析することは次の理由から極めて重要である。すなわち:「犯罪を予測できれば防ぐことができる。」 ここでもチームワークは重要だ。分署署長、犯罪分析官、刑事、班長及び巡査は、全員共同で情報収集と情報配布を効果的に行うこと。
「コムスタット」システムは、警察本部内に正確でタイムリーな情報を提供する手段である。
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